すだちはミカン科ミカン属の果実で、ゆずやかぼすの仲間です。
大きさは4cmほど、重さは約40gとこぶりな柑橘類で、焼き魚や刺し身、湯豆腐などの料理に搾って風味づけとして、またお酒などドリンクに使われたりします。

すだちとかぼすの違い

すだちとよく似た果実にかぼすがありますが、両者のわかりやすい違いは大きさです。
すだちがゴルフボールほどの大きさなのに対し、かぼすはテニスボールほどの大きさがあります。

また、特産地にも違いがあり、すだちは主に徳島県で生産されているのにたいし、かぼすは主に大分県で生産されています。

スダチチン:糖尿病やがんの予防・改善

スダチチンはすだちの果皮に含まれる成分で、ポリフェノールの一種です。

近年の研究では、スダチチンには糖質の代謝を助けて体重増加を抑制したり、がんの発生を抑制したり、といった作用があり、糖尿病やがんなど生活習慣病の予防・改善に効果が期待できることがわかっています。

ビタミンC:免疫力の向上・美白効果・貧血の予防と改善

すだちにはビタミンCが豊富に含まれており、含有量はレモンの1.1倍です。

ビタミンCは水溶性のビタミンで、強い抗酸化作用を持っています。
この作用により、活性酸素を除去して細胞の老化を防いだり、免疫力を高めて感染症を防いだりします。

また、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の発生を抑制する働きもあり、美白効果も期待できます。
鉄の吸収を助けて貧血を予防・改善するのも、ビタミンCの特徴的な効果のひとつです。

ビタミンA:目の機能を改善する

すだちには、レモンの約20倍ものビタミンAが含まれています。

ビタミンAは視機能改善に効果的な栄養素で、目の機能を改善する、夜間の視力を維持する、目や皮膚の粘膜を構成する「上皮細胞」の生成に関わり免疫機能を正常に機能させるなどの効果があります。

ビタミンE:生活習慣病の予防・改善

すだちの果皮に多く含まれているビタミンEは、強い抗酸化力と過酸化脂質を抑制する力から、老化を防ぐ「若返りのビタミン」として知られています。

ビタミンEを摂取することで、ストレスなどによって発生し生活習慣病の原因となる活性酸素を抑制したり、脂質の酸化の原因となるフリーラジカルを排除したり、血の巡りを良くして冷えや頭痛を改善したり、などの効果があります。

クエン酸:疲労回復・食欲増進

すだちの酸味成分であるクエン酸は、疲労回復効果の期待できる成分です。

運動などをして疲労がたまると、乳酸が体内に多く溜まった状態になります。
クエン酸は代謝回路であるクエン酸回路を活性化させて乳酸の生成を抑制する作用があり、結果、疲労回復効果が得られるのです。

また、そのすっぱさで唾液や胃液の分泌を促し、食欲を増進させる効果もあります。
すだちは、夏バテなど食欲が低下する際に最適な食材と言えるでしょう。