基本情報


レモンバームはシソ科の多年草ハーブで、レモンに似た良い香りを持つミントの仲間です。
レモンバームのミントグリーンのハート型の葉はふちが鋸歯(のこぎりの歯のような形)状、先端が波状で、葉は綿毛で覆われており30㎝~90㎝の高さに育ちます。
晩夏に小さな白い花を咲かせます。

レモンに似た香りが最も良い、花が咲く時期に摘み取られます。
レモンバームは葉の部分を使用することが多く、主要な成分として、精油成分、タンニン類、フェノール酸、ロスマリン酸などが含まれます。
レモンバームには精神の高ぶりを鎮め、頭痛や腹痛などの痛みをやわらげる働きがあります。
最近の研究では、アルツハイマーの予防や放射線を防御するといった効果・効能が期待できるという実証的研究も行われています。

レモンバームの歴史

レモンバームの原産地は南ヨーロッパです。
古代ギリシャ・ローマの時代から価値のあるメディカルハーブとして重視されてきました。
レモンバームをワインに漬け込んで、内用や外用で用いた記録が残っています。
ルネサンス期の医者であるパラケルススは、レモンバームのことを「不老不死の万能薬」と呼んでおり、葉がハートの形をしていることから心臓の病に効くと信じられていました。
現在では南ヨーロッパ、ドイツ、アジアを含む多くの地域で栽培されています。

レモンバームに含まれる成分と性質

レモンバームには精油成分が含まれており、シトロネラールやシトラールが知られていて、神経を落ち着かせ、気分を高めます。シトラールは、防臭剤、軟膏、殺虫剤に香りをつけるためにも使われています。
その他にもタンニン類、フェノール酸などが含まれます。

脳の健康を維持する効果

脳は酸素を多く必要とする器官であるため、酸化ストレスによる影響を受けやすくなっています。
また、酸素をスムーズに脳に届けるために、脳の血管が健康で柔軟性に富んでおり、血流が正常に保たれることが重要です。
しかし、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病や、加齢とともに脳の血管が脆くなり、脳の細い血管に高い血圧がかかると、血管が破れたり詰まったりします。
このようにして脳卒中や脳梗塞が起こると、脳は酸素や栄養が不足するために脳細胞が死んでしまい、認知機能の低下や運動障害が生じることもあります。
そのため、高い抗酸化作用をもつビタミンやカロテノイド、ポリフェノールの摂取が脳の健康維持には重要です。
レモンバームには、脳の虚血状態における脳細胞のストレスを軽減させ細胞を保護するとともに、脳の海馬の酸化を抑え、炎症を抑制する効果をもつことが分かっています。

精神を安定させる効果

レモンバームの精油成分がイライラや興奮を落ち着かせます。気分を鎮静させ、心を穏やかにし、抑うつ症を好転させます。
ヒステリーやパニック、神経の緊張による不眠などに効果があります。

消化を促進する効果

レモンバームは消化を促す効果があります。レモンバームの苦味成分が肝臓や胆嚢に作用し、消化吸収を助けます。
レモンバームティーは食後の摂取が良いとされています。
また、腸にガスがたまる不調にも良いとされています。

風邪の症状を緩和する効果

レモンバームの精油成分には緩和な発汗作用もあり、風邪の症状の緩和に有効です。
風邪や流感、せきなどの感染症の優れた治療薬となります。
レモンバームは気管支の痙攣を静める効果も発揮し、喘息や気管支炎にも効果があります。

抗菌・抗ウイルス効果

抗菌、抗ウイルス作用があり、口唇ヘルペスに良いとされています。