
パイナップル
パイナップルはブラジル原産とされ、大航海時代に
コロンブスによって発見されました。
ヨーロッパに持ち帰られてアフリカやアジアの
熱帯地方へ広まり、日本へは江戸末期に伝来しました。
松かさ(パイン)のような形と、リンゴ(アップル)
のような甘い風味が、名前の由来になったと言われています。
コスタリカ、ブラジル、フィリピンなどの暖かい地域で
生産されており、日本では主に沖縄県で栽培されています。
パイナップルに含まれる主な栄養素
*ビタミンB1
ビタミンB1は疲労回復のビタミンとも呼ばれ、
糖質の代謝に欠かせないビタミンです。
糖質からエネルギーを生みだす代謝の過程で、
ビタミンB1は酵素の働きを助ける補酵素として働いています。
ビタミンB1が不足すると、糖がエネルギーに変換されずに
疲労物質として体内にたまってしまい、疲労回復の妨げになります。
*ビタミンC
ビタミンCは抗酸化ビタミンとも呼ばれ、
皮膚や血管の老化を防ぎ免疫力をアップ
させる働きがあります。
コラーゲンの合成に働くので、筋肉や骨を強くし、
肌にハリを持たせてくれます。
メラニン色素の沈着防止や、ストレスを
和らげる効果などの生理作用も持っています。
鉄の吸収も助けるので、貧血気味の方は
合わせてとると効果を発揮します。
*食物繊維
食物繊維には、お腹の調子を整えて便通を改善し、
大腸がんや生活習慣病を予防するなどの働きがあります。
パイナップルには、善玉菌を増やして腸内環境を整え、
便の水分を増やして軟らかくする水溶性食物繊維と、
水分を吸って腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、
有害物質を排出する働きを持つ不溶性食物繊維の両方が含まれています。
*ブロメライン(たんぱく質分解酵素)
ブロメラインは、パイナップルをはじめとする
ブロメリア科の植物から発見されたたんぱく質分解酵素です。
肉料理などに使うと、肉のたんぱく質の分解を
助けるため消化されやすくなります。
ですが、ブロメラインは60℃以上に加熱すると活性が
失われてしまうため、調理の際はパイナップルの加熱時間を
短くするなどの工夫が必要です。
ブロメラインはその性質から、傷の治りを
よくする軟こうとしても利用されています。
*糖質
3大栄養素の一つで、体や脳のエネルギー源となり、
脂質をエネルギーとして使う際にも必要とされます。
足りなくなると、集中力の欠如、疲労回復の遅れ、
筋肉量の低下、肌あれなどの影響が考えられます。
脳の成分でもある糖脂質の成分としても重要です。
*ミネラル(鉄・マグネシウム・カリウム・マンガン)
ミネラルは、3大栄養素の働きをサポートして体の調子
を整える、体の組織を構成する、酵素の成分になるなど
の大切な働きをしています。
鉄はヘモグロビンの成分になり酸素を運搬する
働きがあり、不足すると疲れやすくなったり
鉄欠乏性貧血を招きます。
マグネシウムは骨や歯を作り、神経の興奮を
抑える働きを持っています。
カリウムは野菜や果物に多く含まれ、
体液量や血圧、筋肉、神経、心臓の動きを
調整するなどの役割があります。
マンガンは酵素の成分になる他、
多くの酵素を活性化させるはたらきを
持つミネラルです。
またマンガンは骨の形成、糖質や脂質の代謝、
成長や生殖、脳機能などに関わっています 。