ローゼル

ローゼルは西アフリカ原産のアオイ科の植物で、鮮やかな赤色の花びらが特徴です。
古くから活用されており、古代インドやエジプトでは不老長寿の薬として王家の人々に使われていたという伝承があります。現在では西アフリカや東南アジアなど世界各地の熱帯地方で栽培されています。
日本には明治末期に伝わったと言われ、現在国内では数件の農家で栽培されているとのことです。

ローゼルは様々な用途で活用されています。
ローゼルの花のがくを使ったローゼルジャムや塩漬け、ローゼルの葉を使用した炒め物や塩漬け、てんぷらなど、様々な調理方法があります。
また過去に台湾では、綿織物に使用する目的で栽培されていたこともあります。

地球にやさしい植物

ローゼルは他の植物と比べて二酸化炭素吸収量が多いと言われています。
ローゼルの葉の二酸化炭素吸収量を測定した研究(森下 et el, 2011)によると、ローゼルの二酸化炭素の吸収能は他のアオイ科植物(オクラなど)と比べて二酸化炭素を多く吸収するという結果も報告されています。

ローゼルに含まれる栄養素と健康効果

1. 抗酸化作用

ローゼルには豊富なビタミンCとポリフェノールが含まれており、これらは強力な抗酸化作用を持ち、体内のフリーラジカルを抑制するのに役立ちます。これにより、老化の予防や、様々な病気のリスクを低減するとされています。

2. 血圧降下作用

ローゼルの花にはアントシアニンやヒビスシンという成分が含まれており、これらは血管を拡張し、血圧を下げる効果があるとされています。そのため、高血圧の予防や改善に役立つ可能性があります。

3. 利尿作用

ローゼルには利尿作用があり、体内の余分な水分や塩分を排出するのに役立ちます。これにより、むくみの解消やデトックス効果が期待できます。

4. コレステロール低下作用

ローゼルには、血中の悪玉コレステロール(LDL)のレベルを低下させる働きがあるとされ、心血管系の健康維持に貢献する可能性があります。

5. 消化促進と便秘解消

ローゼルには食物繊維が豊富に含まれており、消化を助け、便秘の解消に効果があります。また、消化器官の健康を維持するのにも役立ちます。

6. 抗炎症作用

ローゼルには抗炎症作用があり、関節炎やその他の炎症性疾患の症状を軽減する可能性があるとされています。

 7. 免疫力の向上

ビタミンCが豊富で、免疫力を高め、風邪や感染症の予防に効果があります。

ローゼルはお茶やジャム、サラダなどさまざまな形で摂取することができ、健康維持に役立つ植物です。